日常細事2020


kiji

2020.11.13 言葉に関する章(11)
 今回は顔を構成する部分として、耳鼻咽喉科に属する言葉のあれこれを探ってみた。
 原文では地獄耳から始まっているので、まず耳に関する慣用句を拾い出してみると、weblio辞書から選び出すと、「耳が痛い」(他人の言葉が自分の弱点をついていて、聞くのがつらい)などは誰でも経験していることだろう。「小耳にはさむ」は、聞くともなしに聞く。ちらりと聞くということだが、あえて小耳と表現しているのは何故だろう。生物学的に言うと「耳は感覚器の一つであり、外耳、中耳、内耳の3つで成り立っている。また中耳には鼓膜と耳小骨がありる(耳小骨は、鼓膜の近くから順にツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨といいう)。耳小骨の役割は、鼓膜の振動エネルギーを大きく増幅させて内耳にある蝸牛へと伝えるというもの」とあり、この耳小骨を指しているのかも知れない。何しろ「外部から入ってきた音を脳が正しく知覚するために重要な部分」だから。この慣用句は実際は耳も小耳も一緒のことらしい。
「耳を疑う」という言葉もある。これは「思いがけないことを聞き、聞き違いかと思う。聞いたことが信じられないことにいう」のだが、「寝耳に水」これなどは「寝耳に水の入るごとし」の略」で不意の出来事や知らせに驚くことのたとえで、かなりオーバーな表現である。この他にも「耳に胼胝(たこ)ができる」だったり「馬耳東風」「壁に耳あり」などの諺も含め40以上もある。
 次は鼻であるが、これも50個あまりの慣用句や諺がある。ニ、三例にとどめて紹介すると、「鼻息が荒い(意気込みが激しい。強気で威勢がよい)」や「鼻(はな)っ柱(ぱしら)が強い(勝ち気で人の言いなりにならない。自信家で気が強い)」などのほか「目糞鼻糞を笑う」や「木で鼻をくくる(無愛想に応対する喩。冷淡にあしらうたとえ)」といった諺もある。
 今回はこのくらいで「目鼻が付(く)」いたので終了とし、身体に関する慣用句は非常に多いので、今回をもって「千里眼と地獄耳」の項は終了する。次回は「ネーミング」につて再考していく。
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