日常細事2020


kiji

2020.11.4 言葉に関する章(8)
 今回は今はあまり聞かない「髻(もとどり)」につ関して考察してみた。
 髻とは(「本取」の意) 髪を頭の上に集めてたばねたところ。髪の根もと。たぶさ。(精選版 日本国語大辞典)のことを言う。丁髷(ちょんまげ)と関連するのだろうか。調べてみると「髷(まげ)は、髪を束ねたり結ったりして頭頂に髻(もとどり)をかたどった、日本の伝統的髪型。 種類 男髷 大銀杏(おおいちょう) 銀杏髷(いちょうまげ) さかやき 丁髷(ちょんまげ) 茶筅髷(ちゃせんまげ) 本多髷(ほんだまげ)」(Wikipedia)とあり、髻は丁髷を構成する一部であることが分かる。もしくは丁髷の原始的スタイルなのかもしれない。そこでもう少し詳しくそのルーツを探ると「飛鳥時代(592年~)に「冠」をする文化が中国からもたらされた。主に貴族の間で冠や烏帽子(えぼし)を被る文化が広まっていった。当時烏帽子は「漆」を使って形を整えていたので、頭が蒸れ蒸れになってしまったそうだ。 そこで、蒸れを防止するために髷(マゲ)の原型となる髻(モトドリ)が開発される。髪を集めて後頭部で束ねた形で、現在で言うとポニーテールに近い形とでも言えよう。『冠下の髻(かんむりしたのもとどり)』とも呼ばれる」
 丁髷と言えば相撲が思い浮かぶが、横綱の髷は「大銀杏」である。現在丁髷姿で生活する習慣は相撲界ぐらいであろう。
 髪型に関連して「元結」がある。これは「髪の髻 (もとどり) を結び束ねる紐 (ひも) ・糸の類。古くは組紐または麻糸を用いたが、近世には糊 (のり) で固くひねったこよりで製したものを用いた。もとい。もっとい」(goo辞書)で「元結を切る」ということは「(元結を切り放つ意から) 剃髪して僧体になる。出家することを意味した。力士が引退する時に執り行われる断髪式もこれに類すものと言えよう。
 今の青年たちは頭をおしゃれするのに髪を染めたり、パーマをかけたりするが、江戸時代までは、髪のオシャレは髷の結い方にあったようで、それも階級社会で異なる形が守られていたようだ。
[言葉に関する章へリンク]。続く
 

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