日常細事2020


kiji


2020.12.6 言葉に関する章(19)

 言葉に関する章も大詰めに入り、仮名遣いについて考える稿になった。 
 コロナ一色で終わりそうなこの一年だったが、長い習慣はそうした変事にはそれほど影響されずに続けられている。その代表として「年賀はがき」がある。ひょっとすると、一年間ご無沙汰している人が多い今年はその数は増えるのではないかと思う。
 若者はSNSやメールで済ますかもしれないが、格式ばった世代の我々には欠かせない一年分の挨拶である。私は80歳を機会にごく付き合いの深い知人・友人・親類縁者にしか出さなくなってしまったが。
 話のテーマが仮名遣い(かなづかい)であるのに、何で年賀状の話になるかというと、年賀状の中にたまに草書で達筆に書いて送ってくれる人がいる。本人は書道の段持ちだから当然読めるのだろうが、残念ながら私にはほぼチンプンカンプで、意味不明である。年賀状だから注釈付きは求めるべくもない。レイアウトのように眺めて感心するしかない。
 ちなみに、私の来年の年賀状は文面は俳句で、今年な手抜きをして「年賀状アプリ」で作成した。その中心の文案は俳句である。これはできれば草書で書きたかった。草書はうまく描ければ見栄えがいいからだ。結局行書体で済ませた。アプリでは一文字一文字が離れているので正直言って味がない。私の下手の筆字よりはましである。
 さて、この草書であるが、これは原文にも示したように万葉仮名の流れを汲んでいる。書道などで使われるカナに変体仮名というのがある。これはWikipediaによると「現在の日本では変体仮名はあまり使用されなくなったが、看板や書道、地名、人名など限定的な場面では使われている」とある。
 いったいどんな書体なのだろうか。字体は草書体を更に崩したものが元になっている。よく見ると確かに草書体は漢字を崩してできているようだ。突き詰めていくと、このHPの「字源」に近くなる。
 例を挙げると、「い」は「以」、「え」は「江」、「お」は「於」、「か」は「可」とあるように、よく見ると確かに漢字の面影を残している。
 今回はここまでとし、次回はその歴史的背景などのエピソードを探してみる。
[言葉に関する章へリンク]
 

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