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2021.2.2 比較と選択

  今回のテーマは原文「比較と選択」を参照しながらどんな例が上げられるか試みることにする。
 最初に浮かぶのは、シーズンたけなわの受験だと思う。試験を受けるということは、得点で篩(ふるい)にかけるという結構シビアな選択である。篩を持つのは学校側でその中に入るのが受験生ということになる。
 受験生側から見れば上は国立一期校から早・慶・上智といった名門校から全国に数百ある私立大学や地方の公立大学がある。受験生も自分の能力は予備校などのテストでその程度は分かっている。従って選択する立場は逆転して選ぶ側に移る。自分の能力以上の難関に挑むところから始め、最後は滑り止めまで数多く選ぶことができる。運動能力にたけているものは者は、将来のプロ選手を目指してそれ相応の大学に推薦で入るというのもある。大学入試というのは選別の場だからいずれを受験するにせよ篩にかけらられることは免れない。比較されるということは試練の場でもある。
 この試練は卒業後の就職、入社後(公務員を含む)も続く。いわゆる出世街道に乗るか外れるかという競争である。ここには複雑な人間関係が絡むから、必ずしも学問ができるのとは違う業務能力が物差しになる。ここでは三流大学出が一流大学出を抜き去る下克上も起きる。公務員の場合はキャリアとノンキャリとはっきり分かれていて、最初から仕分けされている。
 人の人生は私のように、もう先が見えてくると、自分の過去を振り返った時、競争に勝ち抜くような厳しいものはなかった。その代わり運とかツキといった要素が大きかたようだ。
 では「運」や「ツキ」は「比較と選択」と関連がないのだろうか。例えば宝くじだが、私の場合最初に5万円当たったのがきっけではまり、それ以降はそれを超える当たりには出会わず。収支は大赤字である。これを「運」と呼ぶなら、「組」と「7桁」の数字がピッタリ合うことで、その確率は極めて低い。私の宝くじは私が選んだ(正しくは売店のお姐さん)ところから他と比べているのである。これで今回のテーマ「比較と選択」に合致する。
 次に「ツキ」であるが、私の好きな麻雀に例えると「ツキ」7割「技」3割などと譬えられる。「ツキ」はランダムに配られる牌(パイ)がより良い組み合わせになり「上り」が多く高得点で勝てるような状態をいう。他の相手より「上り」の待ちが悪く(確率で)ても上がれるような場合「ツイてるな」などという。ツイてる時は捨てパイを間違わない。それだけ上りが早くなる。この捨てるという行為は選択である。最終の勝ちは比較ということになり、ここでも「比較と選択」が見られる。
 このような些細なことにも「比較と選択」があるのだから、後は「推して知るべし」。

2021.2.6 質を比べる
 比較と選択の原文では、「値段、数、重さ、高さ、大きさ、腕前、能力、速さ、距離、性格、美しさ、音、性質、温度、気候、形、外見、特徴、優劣、時間、色、味、栄養分、におい、安全性、サービス、効率、生産高、成績、筆跡、表現、環境」などが上げらているが、物の質の問題が明確でない。
 そこで、具体的に例を挙げて検証してみる。
 洋服など場合、誂えと衣料品店などで売っているものとでは雲泥の差がある。誂えは体のサイズに合わせるから着心地が違う。肩幅や丈の長さが既製品とは違いぴったとしているのところが、絶対的な差である。それから材質も違うし縫製も違う。当然価格も倍以上かそれよりも高くつく。こうした職人技は経験とか努力と言った目に見えない力量の上に築かれている。産業革命以降機械化が進み、今ではコンピュータ制御によるAI化の普及で、今私がこのHPで紹介している江戸の職人技などは地域限定の民芸品などにその影を残しているに過ぎないだろう。
 質の問題として他に楽器などを例にとると世界一のバイオリンと言われるストラディバリウス「イタリアの弦楽器制作者アントニオ・ストラディバリ(Antonio Stradivari、1644年~1737年12月18日)が製作した、世界最高峰のバイオリンの名称」は最高の弾き手によってのみその極限の音質を再現できる。
 ブランドというのも形より製作者のネームバリューという目に見えない力で人を惹きつける(高額の代名詞)の上に築かれている。スイスは腕時計の名品を数多く生み出している。例えば、その品質や格が世界最高峰の世界最高級時計ブランドとしてしられる、PATEK PHILIPPE(パテックフィリップ)記録によれば品番Ref.5016Aは2015年ジュネーブで開催されたチャリティーオークションで腕時計史上最高額の9億円で落札された。音により時刻を知らせる「ミニッツリピーター」、エスケープが回転する「トゥルービヨン機構」、そして日付自動調整の「パーペチュアルカレンダー」。この時のために超高級時計に搭載されるとされる3つの機構すべてを詰め込んだ傑作で、これを作った製作者は職人冥利に尽きることだろう。
 話がそこまで行くと最早比べようもない世界に入り込んでしまう。続く

2021.2.10 メモの取り方
 メモを取るのがうまい人種は新聞記者だろう。取材にメモは欠かせない。話のキーワードをノートに残して、後で思い返して記事にする。とまーそう言ったところが、一般的だった。過去形にしたのは、今は記者発表にはマイクを使うから発表内容はつぶさに電子記録される。さらにスマホを高く掲げて撮影すれば、表情も音声も同時に取れる。
 話の前段と後段ではどこか違う。前段のそれは人の頭というフィルターを通して記事となる。後段は映像と音声の切り貼りして編集した記事がテレビ報道では発表される。新聞などは取材記録(電子メモ)を基に編集者の手を経て記事として掲載される。そこには編集者(デスク)の意図が、もしくは新聞社の理念などの違いが出ることになる(朝読毎の三大紙や日経・産経など)。
 では私の取材はどのようにして行われたか見直すことにする。今回の原本は「魅るヒント(全6話7千字近い長文))」を参照して頂きたい。
 私は長い間「魅る」(魅せるはあるが、普通の辞書にはない造語)ことを頭の中心に置いて取材をしてきた。何故、観るとか見るでなく「観る」なのかということは 、ヒント1にもあるように「空・雲・風・光という自然現象。樹木・草花といった植物。年中行事といった人の行い。これらはサイクルとなって巡り巡ってくる。同じようでいて受け取りようによっては別の貌を魅せてくれるものだ。それを感じ取ることが『魅るヒント』となって返ってくる」とある。「魅る」という心情を加味した見方で物事を観察すると、見えないはずのものを感じ取ることができる。
 このような立ち位置で取材記録を撮り、キーワードをメモする。私の場合はご多分にもれず電子メモである。使い慣れた小型カメラは取材の友で必携のグッズである。これで写真や動画を撮る。案内板などをしっかりしたアングルでとれば、そこに書かれた文字は、パソコンのOCRでテキスト文字化できるので、説明文として記事の中に取り込むことができる。
 このコラムのタイトルは「メモの取り方」であるが、私の場合はメモリーを再現して編集するということになる。
 今回は「比較と選択」から「質を比べる」の続編を書くつもりだったが、新しいテーマでこの稿を書くことになってしまった。また別の日に先のテーマに戻ることもあり得る。文脈が乱れるがその点はお許し願いたい。

2021.2.13 魅せるページへの工夫
 魅るシリーズを読み返して現下のコロナ禍の中では、自分の魅る目は曇り、センスも鈍っていると感じる。それでも私は「巣ごもり状態」でもこのコラムは大切に持続していきたい。「魅るヒント」の中ではこのHPの顔のトップページを解説している。
 その後画面上の2つのポケットが体調の都合で取材等ができなくなり、廃止せざるを得ない状況になった。日常細事に並んで閲覧の多かったポケットだけに断腸の思いがあった。その後釜として現在張替られたポケットは以下のような経緯でできた。
「2020.9.29 衣替え 今回のリニュ―アルの最大の目玉は「日常細事」のスタイルを変えて、過去のコラムを見直し、それらを再掲(新しいポケットで)しようと考えている。このコラムが書かれている場所はそれをダイジェストして手短に紹介(回想編のようなもの)するつもりだ。
 変更するポケットはデザインが少し変わる。「Market 話の市」と「Picture 絵物語」のようになるだろう。ポケットの中のデザインは今考えている最中で10月1日には間に合わせたい。
 そのほかのポケットは変更する予定はなく題材が続く限り更新していく。新しい構成となるためリンクに混乱が生じる恐れがあるが、更なる旅の第1歩と考え気合を入れ直して臨みたい」とその変更について気持ちを述べた。
 その後その路線で基本となるのは、「日常細事」の過去のテーマの共通項目を集めた「話の市」であり、「paint えがく」と「万物百態(人物百相と生物百様を合わせた表現)」のダイジェスト版の「絵物語」である。
 今のところ構想の通りに話は進んでいるようで、一息付けた感じがする。閲覧者に「魅せる」を感じて頂けるかは、サーバーの訪問統計上では先月は好調だったが、今月は乱高下している。動態に注目して、今後に資することにしていきたい。
 未知の領域に切り込む時には不安と期待がある。既知の領域に踏み込む時は気配りと機転が必要だ。

2021.2.16 HPの自己診断
 魅せるHP(ホームページ)造りがどのくらいできているか、某ページのチェックリストを拝借して自己診断してみた。
 自己採点であるが故の甘さはあるものの想定内の結果であった。決して高得点ではない。多分どこの診断テストでも訪問者とのコミュニケーションがかなり重要な要素だと見ている。
 その点私のHPでは全く対応していない。これは十分承知の上で運営している。その理由はこのHPは一切の商業活動をしていないこと、手間暇の問題では一人で固有のサーバーで運営しているため、訪問者との意見の交換には人手が足りないこと、HPのスタイルは今の年齢では変更する意義がないこと、などを上げることができる。
 いい意味で独立独歩、悪い意味で独断専行していると承知している。それを客観的に見るとアクが強いかも知れない。
 どのHPでも何を発信するかという意図は持っているはずだ。私のHPもしかりで、メインテーマは「温故知新」としており、画像系は殆ど江戸時代の風俗を再現するように努めている。
 「温故知新」という諺は、「故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る」と訓読する。その意味することは、過去の事実を研究し、そこから新しい知識や見解をひらくことにある。
 私は75歳からこのHPに本格的に取り組んできているが、そのスタイルの特徴は祖父が孫に物語を聞かせるようなものにしたいと常々思い込んでいる。
 老後にも新しい人生はある。多くの同輩がそれぞれ新たな道を選び強かにリセットしている。巷では今年開催予定のオリンピック(コロナ禍にあっては延期か中止だと思うが) について東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長失言で、辞任と独断の後任人事でもめている。女性蔑視に端を発しているので、後任はより若い女性をという声が大きいが、果たしてそれが吉と出るかは怪しいもので、魑魅魍魎(チミモウリョウ)が跋扈(バッコ)するこうした世界は、世故(せこ)にたけた怪物がその役にふさわししいと思う。私は「年寄りだからまずい」とする考えには反対だ。私のように隠居仕事をしているような者はいざしらず、老いてなお一線で活躍する武者(もののふ)にその任を与えるのに何の問題があろうか。
 度々諺を使って恐縮だが、「割れ鍋に綴じ蓋」のような働きは、齢(よわい)を重ねた人たちに任せればよいというのが私の考えだ。
 わき道にそれたが、我が道を行くを貫く姿勢を保つこと(老いの一徹)は、魅せる情報を発信することに繋がるものと今は信じている。

2021.2.20 コロナ禍で変わる業態
 人はいかなる逆境にあってもそこから這い上がる知恵を発揮する。チャールズ・ダーウィンは進化論の中で『生き残る種とは、最も強い者ではない。最も知的な者でもない。 最も変化に適応した者だ。』という言葉を残している。
 今も続くコロナ禍にあっても、その壁を突き崩す新ビジネスが次々と生まれている。頑張れ日本人。
 今回はこの時だからこそ人々に受け入れらえている新ビジネスの数々を紹介する。ここではForbesのサイトが発表した、新型コロナウイルスが企業にもたらした10(その内3つ)の大きな変化について検証した。
1. 旅客機が貨物便に
 新型コロナウイルス感染症により、航空業界は世界の民間旅客機の約7割が欠航する近代史上未曾有の逆境に陥っている。航空会社の多くは公的支援を頼りに破綻回避を図っており、航空各社はこうした現状化で次のような策を講じ、少しでも失地回復に結びつけようと必死である。
 ヴァージン・アトランティック航空やルフトハンザ航空などの大手は、乗客輸送から貨物輸送に切り替え、空いた客室スペースを使って特に需要が高い食料品や医療用品などの物資を運んでいる。先ごろ日本に初めてワクチンを運んだのはANAの貨物便である。
2. スーパーが配送施設に
 2020年に世界的に感染が拡大した未知のウイルスの影響は甚大で、これまでの消費行動がガラリと変わることとなった。同じ食品小売業でも、食品スーパー(SM)が"特需"に沸く一方、総合スーパーやコンビニエンスストアは業績を落とすなど、業態間で明暗が分かれている。
 米スーパーマーケット大手の一部は、顧客により良いサービスを提供し従業員を守るため、客の入店を禁止して店舗を配送施設に変えている。これにより、客から遠い場所の配送センターを使うよりもはるかに迅速に持ち帰りや配送の注文に対応できる。コロナ禍ではECサイトの利用も拡大している。ECサイトとは、Electronic Commerce(エレクトロニック・コマース)サイトの略で、「電子商取引」を意味する。PCやスマホ、タブレットなどのデバイスから注文する人も増えている。
3. ホテルが変わる
 例としてプリンスホテルのプランを紹介する。
 プリンスホテルフレックス10 (6060円~)と呼ぶもので、リモートワークの浸透や密を避けての時差通勤、終電繰り上げなど、コロナ禍・Withコロナ時代における行動変容に対応している。24時間いつでもチェックイン可能で最大10時間滞在できるプランで、都内8か所のプリンスホテルで実施している。
 紙数の関係で3業態のみ紹介したが、他の業態でも異業種との連携により販路を拡大しているなど、様々なアイデアや工夫が見られるようになり業界全体が革新の時期を迎えている。失ったものも大きいが、学んだことも大きい。

2021.2.24 バーチャルな生活の知恵
 コロナ禍の影響で社会全体が沈静し、会社や学校でもリモートで仕事や学業をこなすという、考えられない事態に追い込まれている。
 この難局を乗り越えるには夫々が試行錯誤を繰り返し、工夫して活路を見い出すしか道はない。「明けぬ夜はない」という言葉通りに、この忌まわし疾病はやがて終息を迎えるだろう。その時苦難の果ての資産として「生活の知恵」が残されることになるだろう。
 例を挙げてみよう。リモート授業のメリットとデメリットとして次のようなことが挙げられている。(https://future-country-life.com/remote-lesson/抜粋)
 メリットとして挙げられているのが、「1日の内で最も時間の無駄と言える通学・通勤時間がなくなる」、「対面の授業より分かりやすくなる場合がある(スライドなどの資料が多くなり、黒板を使うより分かりやすい。声に関してもオンデマンド方式の場合は分かるまで何度でも繰り返し見直すことができる)」
 デメリットは「勉強にも遊ぶことにもイマイチ集中できない」「学校に遅刻する心配が無いこと、家から出ないので体内時計が調整できないこと、疲れないので夜眠れないことなど、生活リズムが乱れがちになる」「質問などは、先生に直接聞いて教えてもらうという方法には敵わない」「家族と一緒に暮らしていると生活音や場所の問題がおこるなどプライバシーが守れない」
 次に「リモートワークのメリット・デメリット(https://freelance.levtech.jp/guide)抜粋」によれば、「リモートワークのメリットの一つが、通勤時間や仕事環境を改善することで、育児や介護などの時間の確保、メンタル面のバランスを保ち、仕事と生活を両立しやすくするなど、ワーク・ライフ・バランスの向上する」。例えば、それぞれの生活スタイルに合った働き方として、自宅やカフェなど、会社から離れた場所で業務を行うリモートワークが注目を集めている。
 一方デメリットとして、「IT技術を使ったインフラシステムの構築費用がかかる。リモートワークには、遠隔でも業務が可能な機器と通信網、つまり「ICT(情報通信技術)」の整備が必要。業務で利用するPCやソフトウェア、連絡用のチャットツールや会議用のWebカメラなど、働き手それぞれが離れた場所にいても連携できるインフラを整えなければならない。リモートワーク導入時の初期投資が必要で中小・零細企業では対応できないような壁がある。
 こうして見ると、仕事や教育現場でなされた「暮らしやすさ」を追及した結果のコツや技は、非日常的生活から日常の生活に戻った時、砂上の楼閣のように消え去ってしまうかもしれない。人間は環境に順応するからで、より相応しい方に方向変換してしまう。そのためメリットの部分は潜在化してしまうだろうと私は見ている。

2012.2.27 不細工
 最近レプリカの時計を集めているが、スチールベルトは私の腕には大き過ぎる。普通は時計屋で調整してもらうが、1,000円ほどかかるので、本体より高くつくことになる。
 そこで自分で調整しようと思い立って、まずは修理工具一式を買い求めた。いざバンドの調整に取りかかったのだが。これが思うほど簡単ではなく、マニュアル通りにはいかない。根が不器用なせいもあり、ピン外し器にバンド(上下がある)をセットしネジをグルっと回しつなぎ目のピンを押し出そうと試みた。ところが思い切り捻ったらピン外し器のピンが折れてしまった。どうやら的外れなところを押し込んでいたようで、折れたけれど(初心者は失敗するのだろう)スペアがついていたので、差し替えて時計バンドのピンに垂直に当てて少しづつ押し込んでいくと、反対側にピンが頭を出してきた。あとはペンチで回しながら引き抜くことができた。
 事前に見たYouTubeでは、いとも簡単にこなしていたので、「あれっ!」と思った瞬間だった。
 こうしてコマを両側2個づつ外し腕に合うように調整した。それから元に戻すのが一苦労で、抜く時とは逆側からピンを挿入しないといけない。ピンの穴が狭くてそう簡単には通してくれない。小道具の中にバンド固定台というのがあり、そこにベルトを垂直に差し込み上からこれも小道具の専用トンカチでゆっくりと叩く。入口は固く暫く叩くと中間部分は穴が大き目の筒状になっているのですっと通る。ところが出口の穴がこれまたきつく中々入れてくれない。受け側の穴にピタッと合わせないと先に進めない。そこでヘッドルーペでねらい目の場所をよく確認して、これまた必須の小道具バネ棒外しと呼ぶねじ回しに似た道具で片方がY字型になっているのを使い、強引にねらい目に合わせて上から叩く、これを繰り返してバネ棒が出口に到達すれば、時計バンドの長さ調節が完了する。
 何やかやで一つの腕時計の調節に一日費やすことになってしまった。時計屋はいとも簡単に2、3分で済ませるのはやはり商売だからで、カメラ屋などで腕時計の電池交換しますというところでも、バンドの調整はやっていなかった。これは職人の技次第でとても割りが合わぬと知っていたからだろう。続く