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   絵物語 復刻版 江戸の職人(01-11)

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2019.9.29から江戸の職人の姿を当時の浮世絵師の手で描かれたものを彩色しなおすとともに、それぞれの職業を出典の「江戸職人聚(三谷一馬:中公文庫)」から選びだして解説しながら紹介している。今回より順次編集して再現する。(2019.9.29~12.27)

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01養蚕師
この浮世絵は当時江戸では名の知れた絵師(北斎の師匠)勝川春章の作で、画面上面にかかれている説明によれば「かいこやしない草 第九 生繭を塩に浸すことあり、大きなる壺の内底に竹の簀の子を入れ、その上に桐の葉を敷きまたその上に繭を敷きならべ、そのまた上に桐の葉を敷いてふりかけ、よく蓋をして上を泥で塗りふさぎ、七日過ぎて取り出し、釜に入れ湯の中より篗(わく)にかけて糸にくり取るなり」とある(一部書き変え)。2019.9.30

 

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02いざり織手
居坐機は織手が床に座し、片足で綾取り(綜絖:そうこう縦糸を上下に開口させる装置)の糸を操っているのは居坐機の特徴で織手は左右の足を使い二つの踏木を交互に踏む。

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03紺屋
「こんや」とも「こうや」とも言う。藍染に使うタデ科の蓼藍といわれる植物で、江戸時代には阿波(徳島県)藍が全国のほとんどを占めていた。仕込んでから藍が建つ(発酵)までの日数は職人の仕方とその時の状況によって違いがある。大体10日ぐらいはかかる。

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04幕染屋
「幕染屋は障壁の用に供する諸幕を染めた。家々の紋章(もんどころ)を附し、又は種々の模様を顕すを営業とする工人をいふ」
 幕の地質は一葉ならず。絹、緞子(どんす)、縮緬(ちりめん)にて作りあり。麻布、木綿にて製するあり。麻布製のものは、多くは白地にて其の徽章を黒色にするを例とす。(明治34年 尾形月餅画)

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05友禅染師
友禅染は京都の知恩院門前に住む扇絵師宮崎友禅の創始したものといわれています。
「ここに友禅と号する絵法師有けらし一流を扇にかき出せしかば貴賎の男女喜悦の眉をうるはしく丹花の唇をほころばせりこれに依て僕人のこのめる心をくみて女郎小袖のもやうをつくりて或呉服所にあたへぬそれを亦もて興ずるよし聞て書林の某世にひろめん」(『女用訓蒙図彙』)
これによれば当時の友禅は、扇絵師として社会的な地位を得ていたようで、それが衣裳へと方向を転換していったようにみえます。
(出典・絵本『士農工商』享保頃西川祐信画) 2019.11.12

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06紋上絵師
一般には上絵師と呼ばれていますが、紋上絵師が正確な呼び名です。
紋付けには描き紋と縫い紋と切付け紋の三通りがあり、描き紋は墨と筆で描き、縫い紋は刺繍で現し、切付け絞(張り紋)は別布に紋を描いて張りっけ、 糸で紋のふちをかがります。
描き紋は、最初に渋紙か油紙に紋の下絵を描き、その線を印刀で彫って紋の型紙を作り、その上から刷毛で墨をすり込んで紋の輪廓を作っておき、あとから丹念に筆と「ぶんまわし(コンパス)」 で絞の線をつないで描き起こします。 黒紋付の黒の染色には、 赤味か籃味がかった黒などあって、石持ち(定紋を描く所を丸く白抜きした紋)に歪みのあるときには、それを直すため地色合わせに一苦労するといいます。
(出典・絵巻物『職人尽絵詞』文化元年 鍬形蕙斎画) 2019.11.19

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07縫箔師
縫箔師(ぬいはくし) 縫箔のはじまりは吉備大臣入唐のの刻、縫い物することを学び、帰朝の後、松葉を針としてきぬに縫物して見せ給いしに起これり、故に松をもって縫箔の目印とはする也といへり。(この絵には入りきれなかったが暖簾に松が描かれていた)
(出店 雛形本『新版 当風御ひいなかた』天和4年 菱川師宣画)  
2019.11.26

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08絞染師
絞りは布の一部分をつまみ、糸で括るか縛るかして防染し、染料に浸染して後、糸をとるとそこが染まらずに白く模様として残る染色方法です。古くは纐纈(こうけつ)、結染(ゆいぞめ)、結幡(ゆいはた)等とぃわれ、江戸時代には絞りと呼ばれている。
絞りの歴史は古く、二千年以前に印度に発生して世界の各地に拡がり、我が国には奈良朝の正倉院裂(ぎれ)、法隆寺裂にみられ、桃山時代には幻の染物といわれた辻が花染が有名である。江戸時代になると、鹿子絞、匹田絞があり、中でも木綿絞りの鳴海・有松絞が初めて庶民の絞りとして親しまれた。
この絵は尾張の有松絞りの場面。出典・錦絵「大日本物産図会」 明治10年 三代目安藤広重画 2019.12.3

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09お物師
江戸時代の女の裁縫師には、武家屋敷のお物師、一般の町屋の針妙(寺院では女人禁制であったので、この名目で妻を置く所もあった)、吉原の遊女屋のお針と呼び名は変わったが、いずれもそこで雇われて針仕事をした。出典:文政10年歌川広重画 2019.12.12


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10仕立屋
仕立屋はほとんどが男職人で、着物のほかに羽織、袴、帯、蒲団を裁縫し、これを男仕立てといった。仕立屋は絵のように大胡坐をかき、足の指で引っ張って仕立てるので、来客があるときちんと畏まって坐り直した。
仕立屋の多くは、大店の呉服屋を得意先として仕事が来た。
寒さ来る程仕立屋は汗をかき 出典:寛政10年歌川豊国画 2019.12.20

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11蚊帳屋
今制の蚊帳高貴等ニハ紗等ヲ以テ之ヲ製ス民間普通ハ麁(ソ:粗い)布を用フ 近江国産ヲ専用トス 染色同前萌木ノミ稀ニ素ヲ用フ物ハ粗製ニ多シ大サ大略竪六布横五布ヲ小トス 江戸ニテ是ヲ五六ノ蚊帳トイフ竪八横六布ヲ京阪ニテハ八六トイフ。以下略(出典:職人本「人倫訓蒙図彙(じんりんきんもうずい)元禄三年 蒔絵師源三郎画」)
2019.12.28

 

 

 

 


 


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