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喜多川歌麿の美人画


五人美人愛敬競 松葉屋喜瀬川

 襟足をぐっと引締め、燈籠鬢に大きな島田髷を結っているのは、江戸吉原の江戸町一丁目松葉屋半左衛門抱えの遊女、喜瀬川である。ちなみに、「五人美人愛敬競」と書かれている脇の判じ絵は松葉、矢(や)、煙管の上部(きせ)、川、で松葉屋喜瀬川と読むことができる。
 髪のほつれもなく、すっきりした顔立ちである。朝顔の描かれた団扇を持っているので、夏景色であろう。髪の生え際がきれいに描かれ、とくに燈籠鬢の美しさは際立っている。
燈籠鬢というのは、生え際の髪を横に大きく張り、その鬢が透けて見えるところから、また燈籠の笠に似ているところから付けられたといわれている。ただし、この鬢の形を作るには、「鬢挿し」という小道具が必用で、この喜瀬川も、よく見るとべっ甲製のような鬢挿しが見えている
 大きな櫛、簪は前に左右三本、後ろざしに左右一本、と笄一本、計九本の髪飾りが付き、さらに髷の根の部分に、赤い布、白い紙で作った丈長、紙縒を束ねたような髪飾りが付いている。このような派手な髪飾りは、若い証拠である。
 顔を触っている左手をみて見ると、手首になにか巻いてあるのに気がつく。これは、紙縒を縛ったもので、願掛けやまじない、あるいは恋人との約束のため、右手首に紙縒を巻いたらしい。その様子は、歌麿が享和2年(1802)に書いた「教訓親の目鑑 正直者」に、若い娘がまさに手首に紙縒を結んでいるところが描かれている。ただし、この喜瀬川は、左手に結んでいる。
 歌麿は、この手首の紙縒をこの喜瀬川以外、芸者、遊女合わせて3人に描いている。なにか、気にいったのかもしれない。面白い風俗である。(http://www.mikipress.com/blog-mori/2015/04/4-1.htmlより借用)

五人美人愛敬競 富本いつとみ
 「五人美人愛嬌競」の五枚の絵にはいずれも、外題のわきに判じ絵が置かれている。それを読むと、モデルの女性の名前がわかるという仕掛けだ。遊びをかねた美人画シリーズだ。
 この絵の中の判じ絵の読み方は富くじの箱に富と書いて「とみ」、金魚鉢に入れる藻と砥石の砥で「もと」、イノシシの「い」、苞の「つと」、巳の「み」で、全部をつなげると「とみもといつとみ=富本いつとみ」となる。

五人美人愛敬競 兵庫屋花妻
 彼女が読む文には、NHK 歴史秘話ヒストリア「歌麿の最高傑作 巨大美人画に秘められた真実」人まねきらい しきうつしなし 自力 画師 哥麿と。「しきうつし」は「敷き写し」のことです。さらにはNHK 歴史秘話ヒストリア「歌麿の最高傑作 巨大美人画に秘められた真実」正銘 哥麿筆と銘が記してあります。
 そんな覚悟の歌麿でしたが、ついに幕府は判じ絵も禁止。明らかに歌麿を標的とした禁令でした。それでも歌麿は描き続けます。人気の町娘が駄目なら、市井の名もなき女性たちの美を次々と描いていきます。
(https://ameblo.jp/thinkmacgyver/entry-11792090017.html より借用)






 


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