CM花盛り、健康食品(増補版)

 プロ野球のライブ放映を視るため、シーズン中はCSの野球セットに加入している。
有料なのだが、試合の合間には、しっかりとCMが入る。その殆どが健康食品か美容に関するCMだ。これは、ほんの一例だが、こんな風に人の気を惹く「この栄養食品を始めてから、体の調子が見違えるように良くなり、毎日の散歩が楽しみだ」などと、大体は高齢者の出演者が製品を褒め称えると言う図式になっている。
 かくいう私も、つい乗せられて利用したので、大きな口はきけないが、こんな謳い文句だった。「グルコサミン、コンドロイチン、さらに6種類の有効成分で躰を改善。通常価格を初回半額で、2000名様限定で提供します」。それでは試してみようと、3か月分セットに加入した。さらに、別に更にお得な別のメーカーのものも3か月試してみた。結果6か月使ったことになる。さて、その効果であるが、CMのようにはいかなかった。相変わらず腰の状態は良くない。今は、整形外科のクリニックの薬一本に戻して、躰の矯正に努めている。
 思うに、私のように半年ぐらいで、このような健康食品の購入を取り止める人は多いだろう。しかし、それを上回る高齢者が加入しているのだろう。かくして、健康食品ブームは続く。CMの効果絶大と言ったところか。
 昔はよく「薬九層倍」などと言って、薬はぼろ儲けの代表とされていた。どうやら昨今の社会現象は、テレビやインターネットを使った通販が大きな利益を生んでいる。「ジャパネットたかた」は、今や先駆者として君臨している。
 薬や健康食品(サプリメント)などは、この種の物品通販としては性格を異にするが、あれだけテレビでCMを打っても、採算が取れているところを見ると、矢張り「薬九層倍」の部類に属すると言ってよかろう。
 裕福な高齢者にとって、この程度の出費はどうこう言うほどのことではないだろうが、効果を信じての購入であるので、「本当に使ってよかった」と言う人が多く出ることを期待するばかりだ。