根気かこだわりか

 私は絵を描くのは、昔から好きだ。現在も我がホームページのトップ画像は、原画は古いイギリスのイラスト集にあるが、これを加工して10日に1回の割合で更新している。
 実はこれを作るのには相当根気がいる。現在紹介しているのは、人物百相と生物百様の2画面なのだが、まず原画をスキャナーで取り込む。取り込んだ画像は、これと決めたものを、切り取ってペイントソフトに新規画像として貼り込む。
 これから加工作業が始まる。取り込んだ画像の余計な部分を消しゴム機能を使って取り除く。原画の基本が固まったところで、オリジナルファイルとして保存する。
 第2段階は、加工して額縁に収めるまでの作業になる。原画の背景となる絵は、色々工夫してできるだけ多くのパターンを試している。単色、グラデーション、チェック柄などソフトの持つ機能を使ったり、抽象画の一部を切り取って背景にする場合もある。これらは原画と最終的には結合させて一枚の絵として完成させるのだが、トレーシングペーパーのように上からなぞって線画を作るように、二枚重ねにしておく。これをレイヤーと呼び、直訳すると「層」という意味がある。
 第3段階で原画ファイルに戻り、細部に色を付ける(彩色する)。塗りつぶしやペンの機能を使う、独自の感覚を必要とする作業だ。色の組み合わせを違えただけで、イメージが変わるので、あまり原色は使わない。生物の場合などは、カラーの写真を隣に表示させ、色合せしながら着色する。
 次の段階では、先に作っておいた背景画のレイヤーと重ねてみる。ここで多少ファイルに手を加え、256色に減色する。それは画像の輪郭などのムラを消しゴムで消す際、透明化するためで、それによってメイン画像と背景の画像を結合させた時に不自然さを無くすのに役立つ。細かい作業が続くが、ここが勝負時、根気よく仕上げていく。プロではないので、粗(アラ)は残るがパソコンの能力もあり、適当なところでレイヤーを結合させると一枚の絵になる。
 第4段階では、原画と背景画との境目に粗いギザギザの線が出てしまうので、この線を周囲の色と同化させて消していく。クローンペンというツールが役立つ。仕上がったものが画像をクリックした時、拡大して表示される新しい絵となる。よく見るとまだ完全ではないが、直に筆を使う絵との差が出てしまうのは仕方ない。
 最終段階に入る。トップ画面の絵は、あらかじめ準備した額縁に貼り付ける。少し縮小しないと収まらない。ソフトで画像のサイズを変えるのは簡単な作業だ。小さくすると画質は劣化する点には注意して行う。画像サイズを気にしないのなら、画像をはめ込んだ後で縮小表示したほうが綺麗に見える。
 これで一応トップ画像は仕上がる。しかし10日毎の更新なので、古くなった画像を残しておくページを作る作業が残っている。一覧ページを別に設け、リンクを張っておく。こうすれば過去画像をいつでも見ることができ、重複も避けられる。
 こうして一連の作業は終わる訳であるが、手慣れているとはいえ、細々とした作業なので一日仕事になる。ホームページであるので、それぞれのファイルは最終的にはサーバーにアップロードしなければ、誰も観ることはできないので、ここでまた一手間かかることになる。
 こういう仕事に必要なのは、根気とか拘り(こだわり)といった粘着質な性格だと思う。私は頭を使わず、単調な仕事を根気良く続けるのには、あまり抵抗を感じない。こうした作業を続けるのに、面倒くさいと思うこともない。好きだから根気が続き、拘りを持って続けていけるのだろう。