日常細事2014.8.3 時計(mono)を読むにあたって、前知識として、ほんの少々時計の歴史を見てみよう。
日時計や砂時計が使われていたことは、エジプトのピラミッドにも残されている。そんな古代にあっても時計は人の生活に密接に結びついていたのである。暦は時間のつながりであるから、一日が何時間何分かということは重要な知識の源泉になっていたわけだ。日本では、時計の起源はいつ頃だったのかというと、古く天智天皇(中大兄皇子)の御代、西暦600年に遡る。天皇が作らせた水時計(漏刻)がそのルーツと言われている。現在の時の記念日(4月25日)はこれを記念して制定されたものだ。
和時計にも長い歴史があるが、何れも置時計(それも結構大きい)である。持ち歩く時計が到来するまでには随分と時間の経過を要した。ゼンマイ式の時計が発明されたのは、西暦1500年頃と言われている。これが画期的で、1530年にニュールンベルグで製造されたのが、現存最古の携帯時計で、直径僅か4.8㎝だったという。その後改良に改良を重ね、18世紀にはイギリス、フランス、スイスが技を競い合い、有名なパティック、ホイヤー、ピゲなど私でも聞いたことのある腕時計が出現している。
日本では服部時計店(今のセイコー)が1913年に、国産初の腕時計「ローレル」を発売している。1950年以降は、急速に世界に肩を並べるような、「グランドセイコー」、「シチズン「クロノメーター」など精度の高い腕時計が登場している。これに加えて、カシオがそこに食い込んでいるのが日本の時計事情である。