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2016.10.3 貼る・剥す(ガムテープ)
 今回取り上げるテープは少し幅広(4-5センチ)な俗にガムテープと呼ばれるモノで、これもどこの家にでもある。
 紙製、布製、ビニール製など種類は幾つかある。段ボールの蓋を止めるのに使うが、旧来のガムテープは、切手を貼るようにテープの糊の面を水で湿らせて張り付けたりした。最近の製品はそのような手間をかけるガムテープは見かけない。紙製と布製とを較べると、紙製はテープを切り取るとき、カッターやハサミを使わないと、切り口が直線にならない点が使いにくい。コストのせいもあるかも知れないが、宅急便の段ボールは紙製テープで封してある。 好みの問題かもしれないが、それに比べ布製は指で簡単に切り裂くことができ、粘着力もあるので使いやすい。 私は布製を梱包にはよく使う。
 絶縁が必要なものにはビニールテープが向いているが、電気製品などのケーブル(例えばパラボラアンテナの接合部の腐食防止などに使った)。ビニールテープは粘着力が弱く剥がれやすい。一度剥がれると使い物にならない。 今では電気のプロが使うぐらいで、縁遠い存在になってしまった。
 3種類のガムテープをみてきたが、正式には基材の種類により以下のように分類される。
 ・表面に光沢がある、クラフト紙製のテープはクラフト粘着テープという。
 ・布製で、布目に沿って手でまっすぐ切ることができるテープは布粘着テープという。
 ・ビニールテープは、防水性が強く屋外での電気工事など特殊用途に使われ、絶縁テープという。
 家庭には絆創膏やキネシオテープなど体に使うものも多い。これらについては整理して、またの機会に紹介したいと思う。 

2016.10.7 私流入浴法
 つまらないことだが、日常生活の中で習慣化しているものの一つに入浴が挙げられる。
 日本人はことの外風呂好きだと言われている。毎日か一日置きには風呂に入るのではなかろうか。
 そういう私も風呂好きで、毎日の日課のように風呂に入る。
 最近は足元と手元不如意で温泉には行かないが、広々とした浴槽で体を一杯に広げて、ひと風呂浴びたあとの爽快感は格別だ。
 それはさておき、風呂の入り方を手順で辿って見ると、結構十人十色であるほど違いがあるのではないかと思う。
 他人の風呂の入り方は特に観察したわけではないが、私の風呂場における行動パターンは次のようなものだ。
 裸になるわけであるが着衣は上から脱いでいく。パンツが一番最後になる。風呂から出た時はこの逆の手順となる。
 我が家はマンションなので狭いユニットバスだ。湯沸かし器はベランダの壁に据えてある。温度調整はキッチンでリモートコントロールする。沸き戻しはできない注ぎ足し型とでも言おうか、冬は不経済な型式とでも言っておこう。
 風呂の温度は40℃ぐらいまでに設定しておく。今の時期は39℃ぐらいで浴槽に湯を張ってから入る。 これは季節により大きく変わる。冬場は浴室が冷えるので、換気扇も止める。
 さて、浴室に入ったら先ずザット体を一洗する。そして浴槽に入るのだが、これも決まったパターンがあり、私は右足から入る。利き足が右のせいかも知れない。浴槽に浸かりながら歯を磨く。
 約20分ほどで上がり、洗い場で体を洗う。頭をシャンプーし、髭を剃る。カセット替刃の安全カミソリでザラザラ感が無くなるまで丁寧に仕上げる。それが終わると百円たわしに液体石鹸を浸し、首から下、足先まで大雑把に洗う。あとはシャワーで流し入浴の一連の作業は終わる。洗い場を出て、バスタオルで体を拭き、下着を変えれば、一日がリフレッシュする。生を実感する一瞬である。
 平凡な日常生活の中で、誰でもきっと独特の生活パターンを守って毎日を過ごしているだろうという例を示してみた。

2016.10.10 ケーブルとコンセントタップ
 狭い部屋の中に各種の電気製品が多く目につく。これらの製品はケーブルで電源に繋がっている。コンセントの数はそれほど沢山ある訳ではない。大元のコンセントから分岐用のコンセントタップを接続して電源を多く確保しないと、それぞれの電気製品に電気を供給することはできない。タコ足配線ということになる。これにまた別のタップを接続するので、どこでどう繋がっているか識別できくなっている状態だ。
 部屋の隅に配線するが、おびただしい数のケーブルがまるで蔦のように床を這っている。見苦しい上に踏みつけないようにしないと、ケーブルがコンセントタップから外れたり半端な抜け方をする。これは結構危険で、たまに点検しないと安全ではない。
 なんでこんなにケーブルが必要なのか。ケーブルが繋がっている先を見れば頷ける。先ず大きなところではテレビ、エアコンなど。あちこちに小さな照明(テーブルライト)が置いてあるが、これも電源からケーブルで繋がっている。
 もっともケーブルが多いのはパソコン関係の機器だ。インターネット接続に欠かせない光回線のルーターを中心に、そこから分岐する周辺機器も電源が必要だ。無線LANの子機やプリンタなどもそれぞれ別電源だ。その他にもACアダプター付きのケーブルもある。これは必要に応じて使うので、普段は袋などに収納しているので邪魔にはならない。その代表がバッテリ付きパソコンや健康器具のマッサージャーなどである。
 キッチンなども多くの家電があり、どれも電源にケーブルで繋がって働いている。
 こうして見てくると電化製品なしで生活することはできないようだ。邪魔者扱いされがちなケーブルやコンセントタップもこうした生活には必要不可欠な存在なのだ。

2016.10.13 括る(結ぶ)
 しばらくモノシリーズが続くが、今回取り上げたのは紐の類で、その機能面である括る(結ぶ)について考えてみた。
 モノは常々述べてきたように、そのもの単独では機能は発揮しない。使うという行為が伴ってこそ生かされるものだ。
 日常生活で使われる紐としては、紙紐に始まりロープに至るまで無数ある。
 新聞や雑誌を処分するとき、一くくりにしてゴミ出しする。
 そこで捨てる雑誌などはどう括るかだが、どこでも見かける「再生紙製荷造り用紙紐」を使った方法を一つ紹介する。
 紙製と言っても簡単に千切れるほど柔なものではない。撚りが入っていて非常に丈夫にできている。もっとも紙などで水には弱いので、雨の中に放置するのはご法度であることは言うまでもない。
 対象となる雑誌などは小分けにして、できるだけ形を揃へて纏め、本は結構重いので高さもせいぜい30cmぐらいに止める。
 紐のかけ方も色々あるが、私が知る最も効率的でしっかり縛れる縛り方を以下に紹介する。
 先ず紐の端を一握り分位余すようにして、その上に束ねる雑誌などを載せる。次に反対側に出ている紐を重ねた本の上まで持ってくる。そして手元の余った分の紐を、同様にして束の上に引き揚げ上部で交差するようにする。これからが結び方の肝になる要領となる。肝とは輪を作ることで、手元の端の部と交差したところを輪を作って結んでやる。そうすると紐が固定される。輪が崩れないように片手で紐の端を握って、もう一方の手で長いほうの紐を逆方向に引っ掛けるようにして絞っていく。この時の紐の位置は本の角に当てた方が絞りやすい。強く引くと紐が切れてしまうほどまで絞れる。ピンと張った状態で、端の一握り分余った紐の端で輪を掛けるように留めれば、紐掛けは完成する。紐は長い方を切断すれば。紐の無駄は出ない。
 これは括り方や結び方のほんの一例だが、ロープや帯、ネクタイに至るまで「括る」「結ぶ」などの方法は多様で、経験を積まないと上手にできないものだ。試しに挑戦することをお薦めする。

2016.10.16 生活のデジタル化
 デジタルと対比される言葉はアナログである。最初にデジタルとアナログの違いについて説明して、本論に入ることにする。
 デジタルというのは、情報をとびとびの状態(=離散)の値による符号にして表すこと。一方アナログというのは、つながった状態(=連続)で数値化することと定義されている。
 パソコンの普及し始めたころから盛んにデジタルという言葉が広まっていった。今から大体50年前ぐらいで、データ( コンピュータ上のデータとは何かを文字や符号、数値などのまとまりとして表現したものと定義されている)という言葉もそれに付随して知られるようになった。全てを数値化したデータを 扱うのがパソコンであり、今ではパソコンをベースにして通信と融合したネットワーク社会が社会基盤を形成している。
 ここまでが前置きで、これからは現実の生活の中でどのようにデジタル化が進んでいるか見ることにしよう。
 手紙を筆記具を使って書き、郵便で送る。これにはすべてに人の手が入っている。これがアナログ時代を反映する代表であるとすると、パソコンで文字を入力し、ネットを介して相手に送る。これが社会のデジタル化を代表するものだろう。
 このようにして現代の生活は、知らず知らずのうちにデジタル化の波に呑込まれている。パソコンには関係のないところでも、生活に欠かせないお金の出し入れには銀行が発行するカード(VISAカードなど)を使っている人は多い。これはチップの入ったデジタルカードである。銀行業務はコンピュータですべてが管理されている業界だ。銀行のみならず金融機関全体がデジタル化された仕事の上に成り立っている。
 カードで買い物をするとポイントが貯まる。これも同じ仕掛けでデータベースという金銭授受に関するデータがすべて記録された大きなコンピュータ(サーバー)のひとつのシステムに過ぎない。ここは個人情報の貯蔵庫でもあるので、これが流出して社会問題になることも多い。
 こうして見てくると、毎日の生活がデジタル化された社会に否応もなく取り込まれているのだなと感じる。

2016.10.20 フック(mono)
 家で使う道具(mono)のひとつにフックがある。誰でも知っている洋服のハンガーや小物入れをぶら下げる例のモノだ。
 和室の長押(なげし)や空いている壁面や板戸の適当な位置に取り付けて利用する。
 取り付け方はTPOで引っ掛けたり、ビスで留めたり、貼付したりと工夫次第といったところ。
 家の中だけでなく、出掛ける時に携帯するバッグやリュックに取り付けて利用される場合も多い。昔遠足のとき背負ったリュックには金属のコップがぶら下がっていた。これなどはフックで引っ掛けてあるモノだ。
 そこで、ザッと自分の身の回りを見るとしよう。窓辺のラック(パイプ製の組み立て式)の縁にはペン立てなどの100均で求めたグッズがぶら下がっている。空いてるところは埋める主義だから、結構賑やかだ。
 ぶら下げるフックも色々で、L字型やS字型が多いが、大きさはぶら下げるものに合わせる。
 とにかく種類が多いので、例示するのに迷ってしまう。例えば、和室でフックを使う場合、鴨居と長押(なげし)があるが、鴨居 (ふすまや障子などの建具をはめる溝付きの横木上部)を使うのは、雨の日など洗濯物を部屋の中で乾かすときフックハンガーを掛けるのに都合がよい。歩く邪魔にはなるが、そこは我慢しよう。長押( 鴨居の上や敷居の下の側面に取り付けられている、柱と柱の間を繋ぐ横材)はさらに使い勝手が良い。幅があるのでより多くのフックを掛けることができる。形状はL型フックが多く、釘で止めたり、長押と壁の間に差し込んで固定する。そこにハンガーを吊るし、洋服を掛ける。中には長尺の板状のフック掛けなどを使って多くのハンガーを掛けることもできる。
 フックを掛ける場所のないユニットバスなどは吸盤式や接着材付きのフックを利用して風呂小物を掛けたりする。
 このようにどんな場所にでも取り付けることができるよう、アイデアが盛り込まれたグッズが揃っており、室内空間利用の代表的モノと言うことができる。

2016.10.23 免許更新Ⅱ
 後期高齢者に義務付けられた適性テストを事前に受ける制度ができて2度目の運転免許更新時期が近づいた。
 75歳で1回目を受けてから、運転なしで3年が経過した。今回の更新については一度は返納も考えた。
 たとえ80歳を過ぎても運転をしている人は多い。逆走事故やブレーキとアクセルの踏み違えによる事故は後を絶たないが、運転者の高齢化も進んでいるという事情もある。
 特に運転者の住む地域の交通事情が悪いところでは、高齢者運転者の数は減らない。群馬県などは今でも自家用車の保有台数の最も多い県だ。友人が沼田に住んでいるが、確かに車なしでは外に出かけられない。100m先でも車で出かける人も珍しくないという。足の代わりに使っているわけで、道路事情もよく駐車場も整備されている。駐車場なども横浜の10分の1ぐらいだから、事情は全く違う。
 一方、横浜は道路事情が悪いが、福祉面で充実しており、高齢者は有料だが敬老パスが出る。これを使えば市内を走るバスすべてと、市営地下鉄などの詩が運営する交通機関は無料で利用できる。
 こうした背景があるので、私は横浜市内ならどこでもそうした交通機関を使って出かけている。散歩も兼ねるので、自家用車は使わないというわけだ。車を使えば余計な気を使うし、駐車料金も高い。駐車した場所に戻らなければならない。大きな買い物でもしない限り必要ない。
 そのことと自分が免許を更新しようと決めたのは全く事情が違う。
 その第一は家族がいて、車があるということ。何かの時に運転機会が生じるかもしれないことだ。次にまだ運転できるという身体能力を証明するという意地のようなものがあるからだ。
 一旦手にしたものは手放せばもう戻ってこない。色々身辺整理はしているが、運転免許証はまだそのリストには載せていない。これももったいないの精神の表れか。

2016.10.26 汚れを取る
 人の目には見えなくても、部屋の中には細かい塵が浮遊しているものだ。軽くて微粒子だからどこにでもへばりつく。そしていつの間にか、薄っすらとした埃が目に見えるようになる。
 映画で意地悪な職場の上司が掃除を点検する際、窓枠の上をさっと撫ぜるように指を滑らせ、埃が残っていないか確認するシーンを思い出す。
 汚れているのは嫌なものだ。だから掃除する。掃除道具だが、これは用途に応じて様々だ。汚れ落としの液罪なども対象によって多種類ある。
 その辺を踏まえて、身辺の汚れをどのようにして落とすか検証してみることにする。もっともポピュラーな掃除法は雑巾がけである。水を使ったり、乾拭きなどといったやり方で汚れを拭き取る。モノによっては水を嫌うので、そういった時は「はたき」を使う。
 私がもっとも頻繁に汚れを取るモノはメガネだ。普通はメガネクロスで拭き取るが、細かくクリーニングするのにはメガネクリーナー(目薬状)で洗ったり、超音波式の機械の中に水を張って洗浄したりする。これは洗った後でティシュで拭くなど多少面倒で最近使わない。メガネ屋さんの営業用向きかも知れない。
 次にパソコン画面(液晶画面)は静電気で埃を吸い寄せる。これは下手に擦ったりすると傷がつくデリケートなもので、毛先の柔らかい専用ブラシを使って払う。チリは毛先に吸着される仕組みだ。カメラレンズなどはもっと神経を使って掃除する。ブロアでごみを飛ばし、専用のクロスで慎重に拭うようにして磨く。
 金属や陶器などの汚れは洗剤を使う。ハサミやピンセットにへばりついた汚れは、シールはがしスプレーを使う。この成分はオレンジ油を使っている。お酢やレモンに洗浄効果があるのは広く知られている。
 かくして汚れを落とすという作業は生活している限り続いていく。

2016.10.31  スポーツケア・アクセサリー
 もうだいぶ前の話になるが、定年後に地元のソフトボールチームに入った。その時メンバー中2番目の高齢者であった。それでもなお入れてもらったのは、健康維持と野球が何より好きだったからだ。
 ところが肉体は既にだいぶくたびれており、直ぐに肩や腰を痛めた。当時流行っていた健康に良いといわれるネックリングや手首に付ける健康ブレスレットなどを、早速試した。
 今でも野球選手や陸上競技の選手が身につけているモノだ。プロの選手と私のような者とではモノが違うのは言うまでもない。
 有名人がCMに多く出ているメーカーの製品でいろいろなアクセサリーが発売されている。私もここの会員になり店に通い、腰痛ベルト、チタンネックレス、腹巻から靴下に至るまで使ってみた。ここのメーカーは水溶性のチタンを使っており、それが評判だった。大衆的で店員の対応もよかった。それが一時期を画してハイソなクラブに経営転換し、遠い存在になってしまった。
 まだ効果がはっきりしないうちに退会することになったので、これらの製品(今も使っているのがある)がどれだけの効果があるのかあらぬかは未だに不明だ。
 さて、その効果の程に関して、10月27日付の新聞に2015年国勢調査確定値という記事が載っていた。それによれば「75歳以上人口1612万人、総人口の8人に1人で14歳以下の子ども(1588万人)を上回った」とあり、少子高齢化の進行を大きく取り上げていた。
 ということは、人の寿命が長くなったことの証であり、その陰にこうした健康グッズの普及が一役買っているのかもしれない。
 そこで少し先に示したスポーケア・アクセサリーについて探ってみた。結論は見当がつく。大体こういう製品は気分に大きく左右されるようだ。つまり効くも効かぬも気持ち次第で、これを辞典で調べると「プラセボ効果(プラシーボ効果)という現象があり、偽薬を患者に与えたときの治癒効果である。プラセボ効果は疾患によって違い,精神疾患,リウマチ疾患,各種の痛み,高血圧,消化性疾患ではつよく現れる」とある。結局一種の自己暗示による効果が一番大きいのかもしれない。