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 改訂版 仏像画集(三の巻)  スライドショウはこちら

 これまで紹介してきた仏像画のうち第3弾として次の14枚について解説付きで紹介する。

吉祥天(Kissyohten)
仏教の守護神である天部の1つ。もとヒンドゥー教の女神であるラクシュミー(Lakṣmī)が仏教に取り入れられたもの。功徳天、宝蔵天女ともいう。母は鬼子母神であり、夫を毘沙門天とする。吉祥とは繁栄・幸運を意味し幸福・美・富を顕す神とされる。また、美女の代名詞として尊敬を集め、金光明経から前科に対する謝罪の念(吉祥悔過・きちじょうけか)や五穀豊穣でも崇拝されている。

弁財天(Benzaiten)
弁才天(べんざいてん)は、仏教の守護神である天部の一つ。日本の弁才天は、吉祥天その他の様々な神の一面を吸収し、インドや中国とは微妙に異なる特質をもち、「七福神」の一員として宝船に乗り、縁起物にもなっている。漢字表記は本来「弁才天」だが、日本では後に財宝神としての性格が付与され、「才」が「財」の音に通じることから「弁財天」と表記する場合も多い。

鬼子母神(Kishibojin)
夜叉毘沙門天(クベーラ)の部下の武将八大夜叉大将(パーンチカ)の妻で、500人(一説には千人または1万人の子の母であったが、これらの子を育てるだけの栄養をつけるために人間の子を捕えて食べてしまっていた。釈迦の諫めによって改心し、仏法の守護神となり、また、子供と安産の守り神となった。盗難除けの守護ともされる。

持国天(Jikokuten)
持国天は四天王の一体、東方を護る守護神として造像される場合が多く、仏堂内部では本尊の向かって右手前に安置されるのが原則である。その姿には様々な表現があるが、日本では一般に革製の甲冑を身に着けた唐代の武将風の姿で表される。

准胝観音(Jyunteikannon)
 仏教におうては慈悲深い清浄をもたらす神とされ、七倶胝仏母(しちぐていぶつぼ)ともいわれてる。これは遙か過去より多くの仏を誕生させた仏の母という意味。そのため、真言宗系では人道を救済する六観音(聖観音・千手観音・十一面観音・如意輪観音・馬頭観音・准胝観音)に数えられるが、天台宗系では准胝仏母といわれ如来に分類されている。不空羂索観音(ふくうけんさくかんのん)と合わせて七観音と呼ばれることもある。

多聞天(Tamonten)
毘沙門(びしゃもん)》四天王の一。常時、如来の道場を守り、法を聞くことが最も多いことからの名。北方を守る仏法守護の神将。甲冑(かっちゅう)をつけ、両足に悪鬼を踏まえ、手に宝塔と宝珠または鉾(ほこ)を持った姿で表される。日本では福徳の神。多聞天王。毘沙門天。

増長天(Zohjyohten)
増長天は、四天王の一体、南方を護る守護神として造像される場合が多い。仏堂では本尊の向かって左手前に安置するのが原則である。その姿には様々な表現があるが、日本では一般に革製の甲冑を身に着けた唐代の武将風の姿で表される。仏教における天部の仏神。持国天、広目天、多聞天と共に四天王の一尊に数えられる。三昧耶形は刀剣、戟(げき:中国に存在する武器で戈(か)や矛(ぼう)の機能を備えたもの)。

広目天(Kohmokuten)
仏教における天部の仏神。持国天、増長天、多聞天と共に四天王の一尊に数えられる。西方を護る守護神として造像されることが多い。仏堂内では本尊の向かって左後方に安置するのが原則である。その姿には様々な表現があるが、日本では一般に革製の甲冑を身に着けた唐代の武将風の姿で表される。

軍荼利明王(Gunjyarimyohoh)
軍荼利明王(ぐんだりみょうおう)は、密教の明王のひとつであり宝生如来の教令輪身とされる尊格である。様々な障碍を除くとされ、五大明王の一尊としては南方に配される。一面八臂の姿で、手は2本の腕で三鈷印を結び、他の腕には武器や斧を持ち、顔は三ツ目でとぐろを巻く蛇を身に纏った姿で像形されることが多い。

孔雀明王(Kujyakumyohoh)
明王の一つで,くじゃくが毒草や毒虫を食するように,人間の三悪を呑食し,衆生の業障罪悪,諸病痛を除くことを本願とする。像容は普通一面四臂が多く,蓮華,具縁果など4種のものを持ち,くじゃくの上に坐し,明王中の例外として忿怒でなく慈悲相を示す。

金剛夜叉明王(Kongohyasyamyohoh)
金剛夜叉明王(こんごうやしゃみょうおう)は、人間界と仏界を隔てる天界に位置する明王の中でも特に中心的役割を担う五大明王の1人で、北方の守護神。人を襲っては喰らう恐るべき魔神(夜叉)であったが、仏教に帰依した金剛夜叉明王は悪人だけを喰らうようになったと言われ、ここから「敵や悪を喰らい尽くして善を護る聖なる力の神」という解釈が一般的となり、故に日本においても古くから敵を打ち破る「戦勝祈願の仏」として広く武人たちに信仰された。

降三世明王(Kohsanzemyohoh)
五大明王の一尊としては東方に配される。明王は人間界と仏の世界を隔てる天界の「火生三昧」(かしょうざんまい)と呼ばれる炎の世界に住し、人間界の煩悩が仏の世界へ波及しないよう聖なる炎によって煩悩や欲望を焼き尽くす反面、仏の教えを素直に信じない民衆を何としても救わんとする慈悲の怒りを以て人々を目覚めさせようとする仏である。三世界の主を、或いは三世を三毒と解釈してこれを降伏するから降三世という。

不動明王(Hudohmyohoh)
大日如来の化身とも言われる。また、五大明王の中心となる明王でもある。真言宗をはじめ、天台宗、禅宗、日蓮宗等の日本仏教の諸派および修験道で幅広く信仰されている。 五大明王の一員である、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王らと共に祀られる。「お不動さん」の名で親しまれ、大日大聖不動明王(だいにちだいしょうふどうみょうおう)、無動明王、無動尊、不動尊などとも呼ばれる。アジアの仏教圏の中でも特に日本において根強い信仰を得ている。

大威徳明王(Daitokumyohoh)

五大明王のなかで 西方の守護者とされる。日本では、大威徳明王は六面六臂六脚で、神の使いである水牛にまたがっている姿で表現されるのが一般的である。特に日本では脚が多数ある仏尊は他にほとんど無く、大威徳明王の際立った特徴となっている。
6つの顔は六道(地獄界、餓鬼界、畜生界、修羅界、人間界、天上界)をくまなく見渡す役目を表現したもので6つの腕は矛や長剣等の武器を把持して法を守護し、6本の足は六波羅蜜(布施、自戒、忍辱、精進、禅定、智慧)を怠らず歩み続ける決意を表していると言われる。
(2017.7.31)






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