今年もまたⅯⅯ21の高層マンションから花火を鑑賞する機会を得た。8月5日午後7時夕暮れとともに、一発目の花火が打ち上げられた。それから終了時の1時間半の間に1万5千発もの花火が夜空を彩った。大輪の花を咲かせた後に「ヒュー・ドン」と腹に響く音が迫力を添える。目の前に見る花火は、桁違いの臨場感がある。
その一端をビデオでお楽しみいただきたい。(ビデオ:花火大会2014)
話は少し脇道に逸れるが、この地域一帯は高層マンション群(地上100m)が林立している住居地区である。周囲は同じ高さで、最上階は30階で、ここだけは別格。特別広く一説には3億円以上もする高級オクションだということだ。
私が見る限り、周囲の最上階は何れもカーテンが下ろされ、灯りもなく、人の気配を感じさせない。一番に見晴らしの良い場所なのにもったいない。他の階は、どこも多くの人を集めて、この時とばかりの賑わいを見せているのに。この静けさはいったい何なのだろうか。きっと大金持ちの住民は、この時期軽井沢辺りの別荘地で避暑を過ごしているのだろうか。それとも外国のリゾート地でゆったりと躰を休めているのだろうか。下から見上げながら余計な妄想を働かせる。まさに「下衆の勘繰り」に他ならない。
話を戻そう。下界の賑わいはテンヤワンヤの騒ぎ。何しろ、20万人もの人が押し寄せたのだから当たり前だ。打ち上げられた花火の数だけでなく、内容もテンコ盛り。手を変え品を変えたサービスの大番振舞いに、観衆はどよめき、やんやの喝采。
花火鑑賞にここを訪れて今年で3年目だが、この大会、年々華やかさが増している。花火職人はその腕を競い、匠の技を存分に見せつける。あっという間に時間が経つ。花火は泡沫(うたかた)の美だけに、人の目を魅了する。今回も確りと眼の保養をさせてもらった。
普段はあまり混雑する場所には出かけないが、好奇心には勝てない。最近は取材を兼ねて出かけることが多い。現場を見なければ物は書けない。これからもこうしたイベントを探して出かけることになりそうだ。