2020.12.2 言葉に関する章(17)
今回はこの稿の最終回2020年コロナ禍の中にあって、どんな言葉がノミネートされているか続きを見てみよう。
「新しい生活様式」とは日常的生活が非日常的生活に変わった時に余儀なくされる世活で、2020年5月4日の提言では、新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」を整理おり、内容はほかの言葉の実践について記載背れている。
「アベノマスク」は新型コロナウイルスの流行の影響によって2020年2月以降に日本国内で発生しているマスク不足を解消することを目的に安倍内閣が実施した、全世帯にガーゼ製の布マスクを2枚ずつ配布するという緊急対応策に対する俗称である。
「 クラスター」はもとはブドウの房の意味であり、そこから転じて、ある属性に基づくグループ化された集団を意味する語のこと。疫学におけるクラスターとは、ある時間、またはある地域内において、疾患や障害の発生率が異常な高さに及ぶ集団をいう。単に患者集団ともいう。特定の場所や人々のグループにおいてクラスターが発生することを「クラスター化する」という。(weblioより)
「 GoTOキャンペーン」は新型コロナで経済的に低迷した観光事業や飲食業、イベントを割引キャンペーンなどで支援して客を取り戻す、増やす取り組みで、「GoTOイート」と「GoTOトラベル」の二種類ある。
「自粛警察」これは緊急事態宣言に伴う、行政による外出や営業などの自粛要請に応じない個人や商店に対して、偏った正義感や嫉妬心、不安感から、私的に取り締まりや攻撃を行う一般市民やその行為・風潮を指す俗語・インターネットスラングである。戦時体制を思い出しておぞましい感じがする。
「濃厚接触者」とは厚生労働省が所管する国立感染症研究所は、濃厚接触者の定義を見直し公表した。
それによると、これまでは発症日以降に接触した人が対象となっていたが、これを「発症の2日前から接触した人」に拡大した。
その一方で、これまで「2メートル以内を目安に会話などをしていた人」としてきた定義を、「1メートル以内を目安に15分以上接触した人」に変更した。
「PCR検査」PCRを一言で言うと、"遺伝子増幅実験"です。Polymerase Chain Reactionの頭文字を取ったもので、和訳すると"核酸(DNAもしくはRNAのこと)合成酵素連鎖反応"となる。PCRは生命科学の世界では基礎的な技術で、誰もが実行可能な技術だ。PCRはウイルス検出のためだけではなく、遺伝子組み換え技術や、遺伝病の研究のためにも使われている。[言葉に関する章へリンク」
2020.12.3 言葉に関する章(18)
今回は「ネーミング」の最終回になる。2020年コロナ禍の中にあって、どんな言葉がノミネートされているかみてきたが、私はソーシャルディスタンスか3密のどちらかと予想した。12且1日に選考委員は去年と同様、姜尚中氏、金田一秀穂氏、辛酸なめ子氏、俵万智氏、室井滋氏、やくみつる氏そして「現代用語の基礎知識」編集長の大塚陽子氏の6名で、トップテンと年間大賞は12月1日に発表された。その言葉は、予想した通り「3密」であった。
事前の『ORICON NEWS』による予想は「今年1年間に生まれた『ことば』の中から、世相を反映し、話題に上がった新語流行語を選ぶ年末恒例の『ユーキャン新語流行語大賞』。今年は日本だけではなく、世界中が新型コロナウイルス関連の話題に一色になった年。自粛ムードが続く中でも、新しい生活様式を取り入れ、その中での楽しみや流行もあった。そこでORICON NEWSでは一足早く、2020年流行語大賞予想のアンケート調査を実施。『コロナ禍』、『半沢直樹』、『鬼滅の刃』等々、良い意味でも悪い意味でも今年を象徴する社会現象が巻き起こった2020年。果たして"前哨戦"となる今回、ユーザーが選んだワードは?
幅広い世代に浸透 聞きなれなかった言葉が新しい生活様式を代表するワードに、この半年で一気に広がった言葉【ソーシャルディスタンス】
コロナ禍で感染予防を目的に人と人の間に十分な距離を保つ際に使われていた【ソーシャルディスタンス】が、今回の流行語予想では1位に。20、30、50代で1位、10、40代も2位と全世代に浸透した言葉だったことがうかがえる。
「社会的距離」という、本来は他者との心理的距離をとる意味合いの言葉であるが、コロナ禍で小池百合子東京都知事や、SNS等で使われることで大人だけではなく、小さな子どもの間でも使われるようになった。堅苦しい言い方でもあるが、距離を取って密にならないという新しい意識を持つための言葉として、一番分かりやすく機能したワードだったと言える。
結局「3密」に収まったのは、多分にカタカナ英語を嫌う選者たちの偏向の表れのような気がする。
さて中旬には恒例の清水寺で発表することになっている「今年の漢字」は果たして何になるか。多分これもコロナ疾病の影響が想定される。私は「疫」当たりと予想する。言葉に関する章へリンク」
2020.12.6 言葉に関する章(19)
言葉に関する章も大詰めに入り、仮名遣いについて考える稿になった。
コロナ一色で終わりそうなこの一年だったが、長い習慣はそうした変事にはそれほど影響されずに続けられている。その代表として「年賀はがき」がある。ひょっとすると、一年間ご無沙汰している人が多い今年はその数は増えるのではないかと思う。
若者はSNSやメールで済ますかもしれないが、格式ばった世代の我々には欠かせない一年分の挨拶である。私は80歳を機会にごく付き合いの深い知人・友人・親類縁者にしか出さなくなってしまったが。
話のテーマが仮名遣い(かなづかい)であるのに、何で年賀状の話になるかというと、年賀状の中にたまに草書で達筆に書いて送ってくれる人がいる。本人は書道の段持ちだから当然読めるのだろうが、残念ながら私にはほぼチンプンカンプで、意味不明である。年賀状だから注釈付きは求めるべくもない。レイアウトのように眺めて感心するしかない。
ちなみに私の来年の年賀状は文面は俳句で、今年な手抜きをして「年賀状アプリ」で作成した。その中心の文案は俳句である。これはできれば草書で書きたかった。草書はうまく描ければ見栄えがいいからだ。結局行書体で済ませた。アプリでは一文字一文字が離れているので正直言って味がない。私の下手の筆字よりはましである。
さてこの草書であるが、これは原文にも示したように万葉仮名の流れを汲んでいる。書道などで使われるカナに変体仮名というのがある。これはWikipediaによると「現在の日本では変体仮名はあまり使用されなくなったが、看板や書道、地名、人名など限定的な場面では使われている」とある。
いったいどんな書体なのだろうか。字体は草書体をさらに崩したものが元になっている。よく見ると確かに草書体は漢字を崩してできているようだ。突き詰めていくと、このHPの「字源」に近くなる。例を挙げると、「い」は「以」、「え」は「江」、「お」は「於」、「か」は「可」とあるように、よく見ると確かに漢字の面影を残している。今回はここまでとし、次回はその歴史的背景などのエピソードを探してみる。[言葉に関する章へリンク」
2020.12.9 言葉に関する章(20)
仮名のルーツを辿ると、平安時代初期の「万葉仮名」に行き着く。万葉仮名は漢字の音訓で国語を写して簡略化したものから生れた音節文字だという。平仮名と片仮名があり、片仮名は漢字と共に、平仮名は単独で用いた。それが時代が経つと混じって使われるようになった。これは漢字を母体として生まれたわが国固有のものとして誇ることができる。平安時代の女流文学はこの万葉仮名を使って作られたので、この仮名は女手と言われ種々な変体が生まれる。それが「変体仮名」と呼ばれるものである。
この文字種は平仮名と違う字源又は崩し方仮名である。
例えば「志」(し)字は汁粉屋看板。蕎麦屋「きそば」の「そば」も変体仮名と見られる。限定的だがのれん、登録商標に多い。「以→い。江→え。於→お。可→か。起→き。変わった字では、能→の。連→れ。王→わ」といったように崩される。イメージしてもらうと何となく分かると思う。
現在では変体仮名は「ひらがな」の異字体として扱われる。その読みはその元になった漢字の字音あるいは字訓が、字体は草書体をさらに崩したものが元になっている。
元来、平仮名・変体仮名という区別はなく、平安時代に書かれた紀貫之の『土佐日記』、清少納言の『枕草子』、紫式部の『源氏物語』のような平仮名文学、あるいは草子のような出版物、また手紙や個人の手記などについても、明治時代までは平仮名によって書かれた文章の多くが、今でいう変体仮名で書かれている。(wikipediaより抄訳)
異体字は平仮名による表現が頂点に達した平安時代末期の時点で、総数が約300種、そのうち個人が使用したのはおよそ100から200種ほどとされる。時代が下るにつれて字体は整理されている。明治33年(1900年)規則制定により、一音一字の原則に従い「48種の字体」を仮名と決めた。そして採用されなかった字体は以後、変体仮名と呼ばれることとなった。
現在変体仮名は1900年代以前(江戸時代を含む)の書籍の復刻版に限り見ることができる。
さらに、wikipediaによれば「変体仮名自体は1886年(明治19年)発行のJ・C・ヘボン著の『和英語林集成』の付表などでもみることができる」とある。[言葉に関する章へリンク」
2020.12.12モノ好き(時計)
最初にここで言うところのモノとはwikipediaの定義では「経済用語での財(英:goods)のこと。ただし、財のうち、非物理的財貨であるサービスを除いたものを指すことが多い(「モノやサービス」という表現のように)」ということである。ここではその個々のモノを英字で「mono」と表現している場合が多い。
モノ好き第一弾のトップバッターは「時計」である。時計の諸機能や使い方のTPOは原文に描かれている通り。
今回は趣味としての時計蒐集について書くことにする。最近安くて本物そっくりのフェイクモノが出回っている。ロレックスやグランドセイコーなどは本物は安くて30万ぐらいはする。それが送料込みで3000円ほどで手に入る。ほとんどのモノは機能も遜色ない。そこでそれらを10種類ほど購入した総額30.000円ほどだ。
全種類レトロ調のアナログ時計である。その半分ほどは機械式オートマチックと言って秒針が滑らかに動いてカチカチという音がしないのが大きな特色だ。
原文で紹介している(2014.8.3コラム)時計はクオーツでボタン電池で動くもので、実用一点張りのモノが多く、唯一ムーンフェースの高級時計は箱に保管している間に電池が漏洩して動かなくなってしまい、修理はオーバーホールになり経費が高いため諦めた。
今回の買い替えはフェイク(紛い物)であるが、デザインは個性があって眺めていて楽しい。グランドセイコーなどは中身は明らかに紛い物だが、見た目は本物同様品格があり好きである。機械式時計の中にはネジを巻かないと半日しか持たない外れモノもあるが、ほとんど機械式は3日ほどはしまっておいても動いてくれる。最近はデザインを見て楽しむために腕につけるので機種は頻繁に変わる。これも時計の楽しみ方の一つである。大体半日おきにクオーツ式と機械式時計交代で着装している。
クオーツ式時計は手間いらずで、2年は電池が持つはずだ。機械式時計はこまめにネジを巻いてやる手間はかかるが、そうした作業は楽しいものだ。時計の保管は専用のケース数個用意して入れている。原文にもあるように「時計とは不思議な魅力を備えたグッズ」である。
「モノ好き第一弾」続く
2020.12.16 モノ好き(健康器具)
モノ好きの中に二番面に紹介されているのが健康器具。あれから6年をが過ぎて、ラインナップが少し変わった。電気式のモノは殆ど壊れて廃棄した。 マッサージャーは椅子に掛けて上半身をもみ玉が上下し、振動も付られるものに取って代わった。部屋の隅の片隅に無理に置いたライティングデスク前の椅子は背が高いので丁度マッサージャーがかけられる。最初は結構使ったが、その内電源アダプターがでか過ぎ設定が面倒になり、次第に使わなくなった。使えば気持ちよくはなるが、この手のモノは効果が分からない。
AIの時代に入り、パルス波を使ったピリピリして振動するのが新入りのモノでEMSスタイルマットという名がついている。この機器のウリは「乗るだけでまるでウォーキングをしているような感覚の電気刺激筋肉を動かしトレーニングが行えます」というもので、EMSはElectrical Mastle Stimulation(電気的筋肉刺激器)のこと。電源はUSBケーブルに繋いで取る。約20分振動で揉んだり、叩いたり、押したりといった機能を選ぶことができる。ミックス振動もある。これは新型コロナウィルス対策のために「不要不急の外出は控えて欲しい」ということに応えて家の中でも散歩した効果を期待して購入した。ほぼ毎日使っているが膝から下の刺激なので、腿の筋肉には及ばないので、その分効果が弱いと思う。
外に出られないというのは、高齢で持病があり、足腰も弱いからだ。腰の治療も整形外科に通っていたが、それも止めた。腰の治療は以前使っていたオムロン低周波治療器のパッドがダメになり、替えが入手困難になったので、パッド代で買える低周波治療器を激安サイトで購入した。これには予備のパッドがいっぱいついており、ほかに張れる場所も4か所と倍増した。電源は単三電池である。動きはオムロン製と同じで、コントローラが付いており、15分タイマーも付いており、各種の振動を選べるところもオムロン製と同じである。腰と背中をほぼ半分露出してそこにパッドを張るため、風呂上りに行うことにしている。
他にもある。電気鍼も購入した。これはツボに鍼を当てるのだが、実際使ったが、強度1でも感電するような強さで、怖くて使えず少し使っただけで今は箱の中で眠っている。
今回は電気を使う治癒器に限った説明に終わったが、その他民芸品まがいの健康器具は健在だが使っていない。
「モノ好き第一弾」続く
2020.12.19 モノ好き(イヤホンと帽子)
今回のモノ好きはイヤホンと帽子について、その変遷を見ることにした。
7年経つとこの分野でも技術革新が進んで様変わりしている。原本に見られるイヤホンはどれもイヤフォンジャックにイヤホンケーブルを繋いで耳にイヤホンを入れて音を聞くという仕組みなっている。現在ではジャックを使わずに無線で直接イヤホンと結んで音をキャッチする方式に変わっている。規格はブルートゥース(bluetooth)でPCなりスマホの設定でペアリング(相互認識すること)して音を聞く。これだとケーブルが不要になるので邪魔がなくなり、ケーブルの切断などの心配がない。モノによってペアリングがしにくいものもあるが、半径10m以内まで電波をキャッチできる。
無線化されてからは片耳だけでも聞けるので、寝ながらアマゾンプライムの映画をよく見る。外れる心配がほとんどないので、そのまま寝込んでしまうことしばしばである。
充電はusbのミニジャックケーブルを通じて行うが、大体15分から20分で充電は済み本体は1時間から2時間は聞ける。そうしたことから今は有線のヘッドホンは殆ど使わなくなった。
次は帽子の話に移る。原文では「帽子の種類を上げると、ハット、キャップ、ハンチング、ニット帽、ベレー帽、キャスケットなどというものがあり、それぞれ形で分類しているようだ」とある。私が使っているのは昔と変わらず、一番のお気に入りの中折れ帽を中心に野球帽とキャップなどがTPOで使う。冬場はキャップ(俗に言う「正ちゃん帽」)がよく使われる。ニット製なので小さく畳め、コートのポケットにいつも潜ませてあるので、帽子を被らずに外出する心配はない。最近はコロナ禍にあるので、マスク必携であるため、正常時には怪しい者と間違えられること必定のスタイルとなる。不要不急の場合は愛用の黒の中折れ帽を被って出かける。そうすれば怪しい風体にはならない。
おまけに外出時は杖を離せない。今はまだ足腰が弱くて不安定なので3本足で歩行することになる。前の稿で「外出しないので、電子マッサージで運動不足を解消している」と書いたが、いざ外出となると歩くのに帽子、マスク、厚手のコート、小物を入れた肩掛けカバン、それに杖とかなりの重装備になる。高齢者は「不要不急以外は出歩かない」というのが分かる気がする。
「モノ好き第一弾」続く次号は原文「2015.9.3 ケース・箱(mono)」から順に再検討する。
2020.12.22 モノ好き(ケース・箱)
原文によれば、ケースはメガネケースについて書いていた。そのケースの中身はメガネについてであった。実はその後私は白内障がひどくなり、左目だけ医者のすすめに従って手術した。その結果、物の見え方はすっかり改善された。
ということは今までのメガネは使えないということになってしまった。手術の結果遠くはよく見えるようになり、歩いている時はメガネはいらない。ところが老眼が治ったわけではなく、結局遠近両用の眼鏡を誂えることになり、手術費よりメガネの方が高くつく結果になった。両眼の視力はほぼ均等なので、読み書きするために安い老眼鏡(プラス4.0)を数種類買い込んだ。モノ好きの真骨頂は値段より多くを求めるところにある。
そうしたことで、家のあちこちにメガネを配備するという前と変わらぬ有様である。それぞれケースがついているのでかさばるものである。
そこで次のテーマ箱物に移ることにする。ちょっと中身を紹介する。先刻のメガネ、ハサミ、カッター、シャープペンシルなどの書く道具、計算機、デジタル式タイマー、数種類のねじ回しセット、小さなペンチ、クリップの類などなどを台形のプラスチック製の箱に詰め込んでいた。これについては雑然として整理がつかないで困っていたところ、通販でちょっと大き目の布製のケースを購入した。これが都合よいことに場所にぴったり収まり、周囲には沢山ポケットが付いており、ケースの中も中仕切りが6つほどあり、うまい具合に整理整頓することに成功した。
いま年賀状の準備に忙しい人も多いと思う。私は受付初日の15日既に投函した。50通余りだった。来年の年賀状の宛先は年賀状ソフトで打ち出した。これは手抜きで従前は筆で一人一人宛名書きをしていた。私は基本、礼状などは毛筆で書き封書で送る慣わしで、その辺は古風なところがある。相手はどう思うかは別として、心を込めて書くのには筆書きが一番だと信じている。後ろ向きなひねくれ者だ。話が脱線したが、この習字道具も箱物として必要である。筆書きと言っても筆ペン(呉竹)を使っているので硯箱などは不要だ。兄の遺品の筆一式、硯、墨、墨ツボなどは一緒に貰った硯箱に入って、葛籠(つづら)の中に埋没している。きっと日の目を見ることはないだろう。
箱といえば時計や文房具を買うと必ず箱入りで送られてくる。悪い癖でこれが今でも捨てられない。品物本体は決してその箱に戻ることはないと思いつつ、狭い場所を更に狭くして残してある。終活でも始めることになれば、真っ先に処分することになる運命が待っているにも関わらづだ。
「モノ好き第一弾」続く
2020.12.26 今年の言葉「密」
今月中旬清水寺で行われた「今年の言葉」の大書は「密」であった。私もコロナ関連で「疫」を予想したが、これはぎりぎり10位であった。このことは流行語大賞の「3密」と一致している。
今回は年末特別バージョンで、「原文解説補完」は一時休止として、今年一年日本中を蹂躙している「コロナ禍」と「密」について書き残して置くことにした。
なぜこのコロナ禍(covit19)が人々に恐怖を与え、疾病に対応する政府関連部局、患者を受け入れる医療従事者を混乱のるつぼ(坩堝)に押し込めたのだろうか。
インフルエンザの変異と言われる新型コロナウィルスの正体が影のように人々を襲い、アメリカなどでは30万人以上の死者を出しているという実態が恐怖の源泉になっている。
外出しないことが唯一の予防法なのだとされるから、これは実現不可能な要求である。生活の根底に関わる社会行動が否定されるからだ。この疾病は罹患すると高齢者が重症化し、若者は無症状ないしは軽傷であれば14日の隔離生活で済むというのが特徴である。
無症状の保菌者が宿主となってウィルスを拡散していることも恐怖を生む。見えざる敵と戦う剣はあるのか。ようやくワクチンの接種が始まり、治験の結果がすぐ見られる。もし効果があると分かれば、一斉に接種が世界中で行われるだろう。
日本はかなりの数のワクチンを確保しているようだから、オリンピックの始まる頃には終息を見るだろう。そうすれば経済も右肩上がりで上昇し、万々歳というストーリーが出来上がる。こうした1年半にわたる足跡が歴史に残されることになる。これは祈りにも似たサクセスストーリーで実態は別の顔をもって収束を阻むかも知れない。
さて、言葉「密」であるが、私の場合この言葉でまず頭に浮かぶのは「秘密」であって「密閉・密集・密接」の3密ではない。そこでデジタル大辞泉で「密」という言葉の使われ方を調べると、次のように2分類されている。
1 閉ざされて内部がわからない。人に知られない。ひそか。「密会・密教・密航・密告・密使・密室・密約・密輸/隠密(おんみつ)・機密・枢密・内密・秘密」(ここに秘密が記載されている)。
2 すきまがない。ぴったりとくっついている。関係が深い。「密集・密生・密着・密度・密閉・密林/過密・気密・緊密・親密・稠密(ちゅうみつ)」と例示している。(密室は1の分類にある)
こうして見てくると、「密」がこれほど耳目を集めたことは、過去にないほどで、世の名の「日常」を覆してしまった今回の疾病は、唖然として見ているしかないほどの「非日常」の出来事である。